

多くの野立て太陽光発電で使用されていますスクリュー杭ですが、地盤の固さや条件に合わせて、打設する方法や機械(重機)も多種多様です。ここでは、地中障害のある土地や傾斜地での施工をご紹介します。
使用重機について詳しく知りたい方はこちら↓↓
打設方法の種類
1.直接打設
一般的に行われている、施工方法です。
土質が柔らかい ~ 標準的な硬さのところでは、どのタイプの機械(重機)でも打設可能です。地中に石や岩盤などがあった場合や表層にコンクリートやアスファルト敷きであった場合は、打設できません。
2.先行掘り→打設
a)表層に被覆がある場合
被覆部除去状況
被覆部除去後
杭打設
上記写真のように、コンクリートで被覆(写真は、コンクリート厚:約5cm)されているような現場では、単管より2回りほど大きいパイプを使って、打撃破壊した後、通常通りスクリュー杭を打設します。このように、表層が被覆されているようなところを、ユンボで実施した場合、コンクリート&アスファルトガラも発生し、なお且つ、雑草や低木も生えてきてしまうので、折角の被覆がもったいないですよね!
ボーリングマシンを使えば、コンクリート被覆は10cm程度、アスファルトなら、さらに深く被覆除去できます。まずは、当社までご相談願います。
動画:アスファルト舗装箇所における先行掘り スクリュー杭打設
b)地中障害がある場合
打撃で先行掘りするジオプローブ
オーガーとバイブレーションで先行掘りするエコプローブ
深度はまちまちですが、地中障害は、よくあることです。
石に当たって、スクリュー杭がまっすぐ打設できなかったり、地盤が硬く、スクリュー杭が打設できないという依頼を頂きます。ユンボで、掘削するのも1つの手段ではありますが、杭の周りも当然掘削しますので、地盤が逆に緩くなってしまい、スクリュー杭の沈下に影響を及ぼす可能性があります。
固化剤などを入れて、後々、地盤を固める方法もあるのですが、時間と費用が掛かってしまいます。そんな手間を掛けずにできるのが、先行掘りです。特に、『1m以深で地盤が硬くなる!』といったような、ある程度、深い深度から固くなるような現場では、先行掘りが有効だと考えております。もちろん、全ての現場で、先行掘りができるか!?と言えば、そうでもありません。まずは、当社までご相談願います。
下穴の空け方
*硬い地盤のため、筒状の物(ケーシングと言います)を引き抜いても、崩れたりしません。
*スクリュー杭の直径がφ76mmで、ケーシングの直径がφ86mmなので、抜けないか?とよく尋ねられますが、スクリュー杭に羽があるのと、岩盤と引っ掛かるため、引張り強度が確保できなかったことは一度もありません。
事前試験を行うことで、より効率的な先行掘削、施工が可能になります。
3.傾斜地の場合
傾斜角度16度の施工風景
傾斜角度20度の施工風景
2012年7月の売電価格(税抜)40円からスタートした、産業用太陽光発電ですが、ここ数年の間で、平らな野立て案件は、大幅に減少傾向にあり、傾斜地での太陽光発電施工も増えてきております。そんな時でも、写真のジオプローブなどのボーリングマシンは活躍できます。
メーカーからは、傾斜角度30度まで対応可能と言われておりますが、当社では、現在20度以下(土質によって難しいケースもございます)までの対応です。それ以上の傾斜地の場合は、別の機械での工法をご提案しております。
傾斜角度20度のスクリュー杭打ち施工&架台組み
傾斜地にて780本のスクリュー杭打ち施工
上記のボーリングマシンの特徴として、機械にオペが乗らないというのが上げられます。ユンボの場合は、オペが乗っているので、一緒に転がり落ちる…という事も考えられます。地盤の状態にもよりますが、土質によっても登れる傾斜角度が変わってきます。機械を実際に入れてみないと分かりませんので、事前試験を実施してスクリュー杭が打設できるかの確認をさせて頂きます。
動画:スクリュー杭打ち 傾斜地 20度
25度以上の傾斜地についても、様々な工法でご提案させて頂いております。
傾斜地で太陽光発電をご検討の方は、是非ご相談ください。
当社ではご要望にあわせて様々な重機を使用しております。

つづいて、スクリュー杭打ちの施工の流れをご紹介します。
スクリュー杭工法:施工の流れ
1.位置出し(すみ出し)
スクリュー杭を打ち込む位置を、現況測量によって割り出し、特定しておきます。この位置の特定が正確でなければ架台や組み立てに影響が出ますので、慎重に行います。敷地のある程度の大きさがわかっていても、実際工事に取り掛かる際にパネルが納まらない!ということがないように、面積を確実に把握しておきます。規模が大きくなればなるほど、測量が大切になります。
2.スクリュー杭打ち
専用の重機を用いてスクリュー杭を地面に打設していきます。スクリュー杭が斜めになったり曲がったりしないように、垂直に杭を打ち込むようにしていきます。杭打ち現場によっては、傾斜地であったり小石等の障害があるので、その現場に対応したスクリュー杭の打設方法を実施していきます。
3.レベル合わせ
スクリュー杭の打ち込みの深度を1つずつ調整していきます。土地の高低や傾斜角度等を考慮にいれていき、スクリュー杭の打ち込みの角度も確認していきます。打ち込み深度や角度が異なると、架台設置の際にくいちがいが生じる等影響するので注意が必要です。
4.架台の取り付け

打設したスクリュー杭の上に架台を取り付けていきます。スクリュー杭の頭に架台を載せて、ボルトでしっかり固定します。太陽光パネルを設置する土台になることから、それぞれの架台の高さと角度を調整・確認していきます。配線のケーブルを埋設します。
5.パネル設置
取り付けた架台にそれぞれ太陽光パネルを設置していきます。パワーコンデショナー・ケーブルなどを設置し、接続させていきます。
太陽光発電設備を設置する際には、雑草対策や雨水対策として砕石や防草シート敷いたり、土嚢や石材を積むといった工程も必要になってくることがあります。初期費用が高くなりますが、太陽光発電は長期間にわたる事業となるので初期投資を惜しまずに対策を立てておくことをおすすめします。具体的にどのような対策が必要になるのかも、当社にご相談ください。

*業務時間外は、直接担当者に繋がります。