
多くの野立て太陽光発電で使用されていますスクリュー杭ですが、現場の状況(傾斜地かどうか、地盤の硬さ)、お客様のご要望などにあわせて、使用する機械(重機)も多種多様です。
ジオプローブ
オーガー機能(スクリュー杭打ち機能)と打撃機能(障害物の破壊及び単管打ち)の2つの機能を兼ね備えた、1台2役の優れた機械です。被覆除去、硬い地盤の先行掘りも行えます。これまでに様々な案件にも対応してきました。10kW~メガソーラーに最適です。打ち込み台を固定するので安定感があり、ユンボよりもコンパクトで機動性があります!移動は、基本的にリモコンを使用。1cm単位で機械の据付けが可能です。 その他の特徴と致しまして、オペとスクリュー杭の距離が近いため、写真のように、水平をオペが目視確認しながら、1人でも施工可能です(※スクリュー杭の運搬やレベル管理、安全上の観点から、基本2人での施工になっております)。また、回転スピードを手で操作しますので、かなりの低速回転から高速回転までお手の物です!
動画:ジオプローブ 杭0821
打撃機能による先行掘削


その場で『オーガー機能→打撃機能』に切替え、先行掘りが行えます。障害物を取り除き、あまり時間をかけずに再びスクリュー杭打設が可能になります。
※オーガー機能と打撃機能の場所が異なり、切替えが早いのが特徴です。時間でいいますと、1分程度で切替えが行えます。また、障害物撤去は、鉄パイプのようなものを打込み、貫通させます。
傾斜地のスクリュー杭打ち施工が得意
メーカーのカタログスペックでは、傾斜角度30度まで可能と言われております。(※実際経験済みの傾斜角度は、25度までです。)現場の状況によって登れる傾斜角度が変わってくるので、実際にジオプローブで施工できるかどうかは、事前に試験を実施し、スクリュー杭打設が可能かどうか確認させていただくことになります。
事前試験(引き抜き試験)も同時に行えます
杭にアタッチメントを装着し、引っ張ることで地盤の強度を計測する引き抜き試験を行うことも可能です。スクリュー杭の打設と一緒にご依頼いただけると費用削減につながります。
杭にアタッチメントを装着して事前試験(引き抜き試験)の実施が可能です。
ユンボ(バック・ホー)
一番使われているユンボ。全国どこにでもあり、大きな石(障害物)があった場合は、アタッチメントを交換して掘削除去もできます。杭の運搬などもできるため、メガ案件の場合は、絶対に欲しい1台です。
ユンボにダウンザーホールハンマーを取付けて掘削しています。微調整は必要ですが、ちょっとした傾斜地でも硬質地盤を掘削できます。
エコプローブ
本来は、ボーリング時に使用する機械ですが、当社がボーリング作業もやっているので、協力会社を含め知識があるのと機材が揃えられるという点が大きな特長であると思います。特に、先行掘りに適しているため、当社では導入しております。
エコケーシングでの先行掘りは、固い地盤を得意とします。スクリュー杭は、硬い地盤の場合、打設できず、コンクリート基礎に変更することによって、大幅に金額が上がってしまいます。
N値が30以上の現場で、コンクリート基礎にすると金額が上がってしまうので太陽光発電そのものを断念しようと思っている、という相談をいただいことがあります。一般的なユンボの場合、N値が15以上になれば、打設困難でしょう。
しかし、ボーリングする機械(エコプローブ)で、先行掘りをして、その穴にスクリュー杭を打設することができます。相談をいただいたその案件も現場で事前試験をさせてもらい、実際にスクリュー杭を打設することができました。
動画:エコケーシング先行掘り
エコプローブ(または、同じく杭打ち機であるジオプローブという機器)を先行掘り専用にして、ユンボで、穴が開いた箇所を追っていくという手法が可能です。アタッチメントを交換する作業時間は、1分程度ですが、スクリュー杭の打設本数が多い時は、この方法で時間を節約していけます。機械と掘削するツールがくっついているため、正確なポイントに先行掘りすることができます。
掘削方法は、オーガー(回転)とバイブレーション(振動)です。固い地盤でも、粘性土がある土地でも掘削でき、かなり正確に打つことが可能です。傾斜地はちょっと苦手ではありますが、5度程度までなら、対応できます。まずは、当社までご相談願います。
動画:エコプローブによるダウンザーホールハンマー掘削。真っすぐ垂直に容易に掘削できます。
ソニックドリル
ソニックドリルは大型のボーリングマシンで、オーガーとバイブレーションで掘削していきます。
高い掘削性能で多様な工事に適用されており、速度、垂直性、低騒音等に優れていることが特長です。
掘削の馬力は高く、エコプローブのおよそ4倍(当社感覚)で、地中に硬い石や岩盤のある現場でも1日70~90ヶ所の先行掘削(φ86mm)ができます。掘削速度が速いと工期や掘削工程の短縮によりコスト削減にもつながる場合もございます。
動画:ソニックドリル 掘削作業
メガ案件等の、広くて硬い地盤がある現場で重宝します。画像のとおり大型サイズの重機で、13tトラックで運ぶので、そのための車両の搬入路の確保が必要です。傾斜地での作業には適しておらず、5度くらいまでの角度が対応可能となります。
ハンディタイプ
重機が入らない場所や、本数が少ない場合に、ハンディタイプのスクリュー杭打設は有効です。ただ、人力に近いところがあるので、ちょっとした障害物があったり、地盤が硬かったりした場合は、打設できません。本当に、最後の手段的な部分があります。
穴堀建柱車
穴堀建柱車は、元々は電柱を建てる穴を掘削する建設機械です(画像はD-50A建柱車)。
重機、ハンドタイプの杭打ち機での施工が困難な傾斜地の現場でのスクリュー杭打設に使用します。
特徴としては、馬力が高いので硬い地盤でも大丈夫です。クレーンのブームが長く、停車した地点から伸縮できる範囲まで複数の杭打設ができます。
本来は傾斜地の下から施工しますが、画像のように、停車できるスペースがあれば上からでも下からでも作業できます。傾斜地にのぼることもないので、機器の重さで土壌を崩してしまうということもありません。 作業員が登って作業できる程度の傾斜角度ならけっこうな傾斜角の現場でも施工できます。
ただ建設車両であるので、車両が出入りできたり、車両を置いて作業できるスペースがどうしても必要となります。
動画:建柱車による太陽光スクリュー杭打設2
この現場では、法面の下が更に急な傾斜地となっており高さもあって転落の恐れもありましたのでユンボのような重機での施工は困難でした。ハンディタイプでの打設も人力では精度が悪く地盤が硬かったこともあり難しい状況でした。そこで、建柱車を用いて施工。60本/日ほどの打設を行えました。重機が入りにくく地盤が硬い傾斜地でも、満足のいく精度と作業速度で進める事ができました。
様々な重機を用意しておくことにより、現場での対応がより柔軟に行える為、ユンボオーガーでの施工に頼りっきりなのであれば、ぜひ一度弊社の杭打ちを検討してください。少しでもご興味があるかたは、お気軽にご相談ください。全国対応いたします。
『重機の選択肢があるのが◎』当社のスクリュー杭の打設実績は、2019年の10月現在で、杭打設本数が累計60,000本です。それだけの現場に携わりますと、ユンボが適した現場もあれば、ジオプローブが適している現場もありました。また、エコプローブで先行掘りして、後を追うようにスクリュー杭を打設していった現場もありました。その土地土地で、重機を選択し、施工することが、結果的にお客様の利益になると感じております。

*業務時間外は、直接担当者に繋がります。