こんにちは。新入社員の酒井です。
今回で2回目となる新入社員ブログ。今回は施工現場での体験談をお話ししたいと思います。
私は学生時代は太陽光とは縁もゆかりもない、海洋生物について学んでいました。そんな私にとって、太陽光発電施設の施工現場での出来事、何もかもが初めての体験でした。
そんな中、先日私は先輩社員の方に連れられ、岐阜県のとある現場に赴きました。施工内容は掘削です。
掘削といえばエコプローブやジオプローブなどのボーリングマシンを使用することが多かったのですが、今回使用した重機はその名も「ダウンザホールハンマー」。
「ダウンザホールハンマー」はクローラー車やユンボに装着して使う非常に大きなハンマー(写真赤丸部分)のことで、今回の施工では大型のユンボに装着して使用しました。
ダウンザホールハンマーはジオプローブと同じく打撃によって岩盤を粉砕するタイプのボーリングマシンですが、その特徴は何といってもその大きさと馬力でしょうか。エコプローブやジオプローブとは二回り以上も大きな体躯(といってもユンボが大きいのもありますが)なので、馬力が全然違います。堅い岩盤もガンガン掘っていくことができます。
そしてこの「ダウンザホールハンマー」の最大の特徴、それは、エアーリフトで掘削廃土を排出できることです!エアーリフトとはエアー、つまり空気で土を巻き上げて地表まで運ぶという機構です。
通常のボーリングマシンはケーシングパイプで掘削するので、その時に出る廃土はパイプの中に詰まっていきます。詰まったままでは当然、掘削することは不可能なので、中に詰まった廃土をいちいち出さなければなりません。しかしこの作業が存外に時間と労力のいる作業で、連続して複数の掘削を行うことはかなり厳しいのが現状です。
しかし「ダウンザホールハンマー」では打撃で粉砕した廃土は、先端にあるハンマーの上に積もっていきます。ハンマーには複数の穴が開いており、そこからすごい勢いで空気が噴射できるようになっており、ハンマーに積もった廃土を空気の力で押し上げ、地表へ吹き飛ばすのです。
丸で囲んだところをよく見てみると、ハンマーの周りにこんもりした山ができているのが分かるかと思います。これはエアーリフトによって運ばれてきた廃土です。こうしてどんどん掘り進めていけるので、岩盤の状態にもよりますが、かなりのスピードで掘削することも可能です。
そんな「ダウンザホールハンマー」にも弱点は存在します。それは泥質の地盤です。砂礫質の岩盤は空気でガンガン飛ばして排出できますが、粘性のある泥質の地盤は空気では吹き飛ばず、どんどんハンマーの先に積もっていきます。そのため泥質の地盤の場合は、少し掘るたびに地表へ廃土を排出しなければならず、かなり時間がかかってしまいます。
泥質地盤には弱い「ダウンザホールハンマー」ですが、こんな場所での掘削にはとても重宝します。
それは、、、
今回の施工ではユンボに装着していたため、ユンボの長いアームを利用して傾斜地にも「ダウンザホールハンマー」を持っていき、掘削することができます。これはほかのボーリングマシンではなかなかできない技ですね。
そして今回の施工で一番驚いたのが、こちら、
どどーん!!
大型のユンボなので、こんな傾斜地にもユンボごと入っていけちゃいます!この傾斜角度は25度でした。この角度はボーリングマシンではなかなか難しい角度です。これぞ「ダウンザホールハンマー」の最大のメリット、醍醐味!
アームを伸ばせば広範囲の掘削が可能で、馬力も大きく傾斜地の施工もなんなくこなせる。またエアーリフトで廃土を吹き飛ばす。など、ほかのボーリングマシンとは様々な違いがある「ダウンザホールハンマー」。用途によってはこの重機が大活躍することも多いでしょう。
それぞれの重機にも得意分野があるので、それらをよく理解したうえで、それぞれ適切な場面で使用していくことも私たちの役目だと改めて感じる一日でした。
皆様もスクリュー杭の掘削でお困りなら、ぜひ一度弊社までご相談ください。